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グッドハート「社内発注制度」で売り上げ増

チーム
グッドハート(熊本県熊本市)は、社員職人を対象にしたユニークな制度「社内発注制度」を採用している。職人同士でチームを組み、営業が取ってきた仕事を受注する。その売り上げから経費を引いた成果が、ボーナスによって社員に還元される仕組み。「職人の生活レベルと社会的地位を上げたい」と語る同社平田社長に、具体的な取り組みや効果について聞いた。

太陽光発電工事や住宅リフォームなどを手がけ、現在年間約6億の売り上げを誇るグッドハート(熊本県熊本市)が、1年前から社員職人のユニークな制度を採用している。それが「社内発注制度」だ。職人の正社員化はしない方がよいという風潮の中で、導入後の売り上げを約2割以上伸ばし、さらに社員一人ひとりの労働意識も飛躍的に向上しているという。平田輝雄社長に話を聞いた。

 

職人の意識を変革

「塗装や大工など、腕が良くて専門性が高い職人の離職率を下げるには、高く安定的な給与を保証できる正社員にしなければならない」と語る平田社長。しかし歩合制が長く続いた業界に職人の正社員化はすぐに馴染まず、職人自身の意識を変えることが必要だった。そこで1年前に導入したのが「社内発注制度」だ。

平田社長は「工務店が、正社員化を軌道に乗せるために大切なことは2つ。仕組み作りと意識改革です」と言い切る。この、やった仕事の分だけ返ってくる仕組みが「社内発注制度」だ。

 

9人の社員職人がチームでこなす

これは9人の社員である職人が、同じ職人同士でチームを組み、チーム単位で営業が取ってきた仕事を受注するもの。やり取りは伝票で行われ、売り上げから経費を引いた成果はボーナスによって社員に還元される。月ごとの成果としての粗利益を集計し、半年分の粗利益の25%が年2回あるボーナスに反映され、支給される

チームの成果が自分たちのボーナスに直結するため、当然チームごとにボーナスの額も異なる。現在チームは屋根、電気、足場、そして大工と4つ。月々のチームの売り上げを社内で開示することは、チーム同士の競争意識を生む。収益を出すには、自分たちの技量向上を目指すのはもちろんだが、さらにそれまで太陽光電気を主にやっていた電気職人が、新築の電気も担当できるようになるなど、自分の職人としての価値を高める努力を行っている

また、仕事をどのように作っていくか、効率的に売り上げアップを狙うため無駄を省こうとするなど、社員一人ひとりに経営観念が生まれ、自ら創意工夫を行うようになった

 

チームの数は今後増減

平田輝雄社長

平田輝雄社長

「現在チームは4つだが、今後、必要に応じて増やしたり減らしたりもするし、25%としているボーナスもまだ再考の余地はある」と平田社長。

さらに「ただ正社員化しただけでなく、社内発注制度の仕組みを作ったことで、社員が自ら仕事を取ろうと意識が変わってきているチームの売上目標も彼らが決めている。こちらはもっと社内発注をかけてやらないと厳しいと実感するほど」という。会社の売り上げは、導入前に比べて1.2倍以上に伸びている

 

1,000万円稼げる体制を

平田社長は、この発想と仕組みを、全国に無料で公開することも考えている。

雨が降れば休みになるこの業界では、まだ正社員化は無理という空気がある。しかし、そこは雨の日でも可能な中古住宅のリノベーションの再販や、マンションリフォームなどの仕事を会社が確保すればいい。当社は他業界の正社員同様に月8日間の休み。土・日曜と2日連続休みを取ってもらう日もある」。平田社長がそこまで正社員化したいのはなぜか。

職人の生活レベルと社会的地位を上げたい。そのためには自社施工が一番だと考えている。自社の看板を背負っている自覚があれば、職人は終始丁寧な仕事をする。また、当社は週に1回、お客様からもらった感謝の言葉を発表しあう時間を持っていて、これが社員のやる気向上に大変効き目がある」という。

現在、チームリーダーの年収が約600万円。将来は年収1,000万のチームリーダーの輩出を目標にしている

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